あるお寺の住職さんが,二十四年前に喉頭癌で手術を受け,声が出なくなりました。

病気は治りましたが,声を失った住職さんの苦しみが始まりました。

御法話も勤行もできない自分に生きている価値があるのだろうか。

苦しい毎日が続きました。

そんな時隣のお寺の住職さんがお見舞いにみえて,ただ一言

「お念仏の教えは,仕事ができるできないではなしに,全ての人が,あるがままの姿で救われる道の発見ではありませんか」

と励ましてくださいました。

この一言が,希望を失った住職さんを目覚めさせ,生きる勇気を与えてくれました。

以来,二十四年間,不便で辛い毎日でありますが,このことが機縁となって,あらためて法に遭うことができたことを喜んでおられます。

「本当の喜び」とは,自分の思うようになったときや,他人の不幸と比べて喜ぶことではないということを,私達は学ぶことができます。


本当の喜び